本提案は、クラスのバージョン管理を効率化し、日々の変更を追跡しやすくすることを目的とします。
CSVファイルの利用: クラスの状態を毎日CSVファイルにエクスポートし、ファイル名は変更せずに同一のものを使用します。これにより、前日との差分を明確にします。
バージョン管理ツール: 変更履歴はFossil SCMを使用して管理します。このツールは、変更点の記録及び追跡に特化しており、セキュリティの観点からもローカルでのバージョン管理が可能です。
Fossil SCMを利用することで、以下の利点があります:
変更履歴の明確化: 日々の変更点が明確に記録され、いつ何が変更されたかが一目でわかります。
セキュリティ: ローカル環境でのバージョン管理により、外部への依存を減らし、セキュリティリスクを低減します。
この方法を採用することで、クラスのバージョン管理がより効率的かつ安全に行えるようになります。また、日々の変更を容易に追跡できるようになるため、開発プロセスの透明性が向上します。
オペレーティングシステム:
Windows 11 Home (バージョン 23H2)
ハードウェア仕様:
プロセッサ: Intel(R) Core(TM) i7-9750H CPU @ 2.60GHz, 2.59 GHz
RAM: 16.0 GB (15.8 GB 使用可能)
ソフトウェア:
Vectorworks 2024: Update 2.1
FOSSIL SCM: バージョン 2.22
ワークシートの作成:
all_classes_wsコマンドを実行し、クラス一覧を含むワークシート(Classes_Worksheet)を生成。
生成されたワークシートをCSV形式(コンマ区切り)でエクスポート。
FOSSIL SCMの導入とバージョン管理:
FOSSIL SCMを導入し、エクスポートしたCSVファイルを**test_class_vcs**フォルダに保存。
初期状態のコミットを実行してバージョンを保存。
クラスの追加と再評価:
**class_vcs_test.vwx**ファイルに新しいクラスを追加。
元のワークシート(Classes_Worksheet)を削除し、再度**all_classes_ws**コマンドを実行して新しいワークシートを生成。
新しいワークシートから再びCSVをエクスポートし、同じフォルダに保存。
変更のコミットと視覚的評価:
FOSSIL SCMで変更をコミット。
**fossil ui**コマンドを実行してブラウザでバージョン管理情報を視覚的に評価。
最初のCSVと更新後のCSVの差分を確認。
「hoge」,「fuga-hoge」というクラスが増えていることが確認できた。
このテストを通じて、FOSSIL SCMを利用したVectorworksのクラスデータのバージョン管理が、変更点の追跡および視覚的な評価において有効であることが確認されました。変更の適用前後でデータを確実に比較することができ、予期しない変更が発生した場合の追跡が可能です。
ここではまず、差分が有るのか無いのかのシグナルが大切だと考えられます。
膨大な数のクラスに対し、チェックすることが必要かどうかの判断ができることがまずは重要です。
あればどこが差分なのか、また、プロジェクトの要件にあったクラスがつくられているかVectorworksのデータを確認してチェックするプロセスが次の段階で実行されると思われます。
今後は、より多くのプロジェクトファイルでの同様のテストを実施し、異なる環境下でのFOSSIL SCMの効果を検証する予定です。また、ワークフローの自動化を図り、効率的なバージョン管理システムの構築を目指します。
現段階ではクラス名のみの情報だが、今後、クラスの設定項目を含めたデータベースが構築できれば要件にあったクラスが作成されているかもチェックの自動化ができる可能性も高まると思われる。
これには事前に要件にあったクラスの定義が必要である。
プロジェクトの要件を満たしたクラス定義がVectorworksのデータ作成の段階以前に可能であるか検証が必要である。